岐阜県でスマート農業を導入し、作業の効率化や負担軽減を目指す農家が増えています。そこで重要になるのが、現場で即戦力となるドローンの操縦技術と専門知識です。本記事では、岐阜県内で農業用ドローンに特化したスキルが学べる注目の3校、YASUDA DRONE、ROBOZドローンスクール、CDP岐阜校を厳選して紹介します。
農業用ドローンスクールの選び方
農業用ドローンについて学べるスクールを選ぶ際は、「農業向けのコースがある」という理由だけで決めるのではなく、ドローンを導入する目的に合った知識や技術を学べるかを確認することが大切です。たとえば、自分の農地で農薬を散布したい方と、ドローンによる散布代行を仕事にしたい方では、必要となる知識やサポートが異なります。
まずは、自分の目的に合わせて以下のポイントを確認しましょう。
| こんな人におすすめ | スクール選びで確認したいポイント |
|---|---|
| 農薬散布に使いたい | 農薬散布の実技、農薬の取り扱い、安全管理まで学べるか |
| 国家資格も取得したい | 国の登録講習機関か、二等・一等無人航空機操縦士に対応しているか |
| 導入する機体が決まっている | 使用予定の農業用ドローンを使った講習を受けられるか |
| 散布代行を仕事にしたい | 実践的な散布訓練、飛行申請、運用方法まで学べるか |
| 初めてドローンを操作する | 実技時間、少人数制、初心者向けサポートが充実しているか |
| 機体購入まで相談したい | 機体販売、初期設定、メンテナンスなど導入後も相談できるか |
| 費用を抑えたい | 受講料だけでなく資格取得・機体購入まで含めた総額を確認する |
特に農業への導入を目的とする場合は、次の3点を優先して確認するとよいでしょう。
① 農薬散布など農業に特化した実技を学べるか
② 実際に導入予定の機体について学べるか
③ 機体購入・申請・メンテナンスまで相談できるか
国家資格の取得を考えている場合は、これらに加えて登録講習機関であるかも確認しましょう。
自分が「資格を取りたい」のか、「自分の農地で散布したい」のか、「散布代行を仕事にしたい」のかを明確にすると、自分に合ったスクールを比較しやすくなります。
YASUDA DRONE

引用元:https://yasudakensetsu-drone.com/
| 会社名 | 安田建設株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 〒509-0036 岐阜県美濃加茂市山手町3丁目108 |
| 電話番号 | 090-1707-2947 |
現場で即戦力になる農薬や肥料の散布テクニック
YASUDA DRONEで学べる最大のメリットは、農業の現場でそのまま使える「空中散布」の技術です。ドローンを飛ばす楽しさだけでなく、実際に農薬や肥料をどのように撒くのかという実戦形式の講習が受けられます。散布の際には、ただ機体を動かすだけでは不十分です。そこで、風の影響をどう考えるか、ムラなく均一に撒くにはどう動かすべきかといった、プロならではのコツを伝授してもらえます。さらに、農薬散布に関するルールや、過去に起きた事故の事例を学ぶことで、トラブルを未然に防ぐ知恵も身につきます。マニュアルに基づいた確実な運用をマスターすれば、作業時間は大幅に短縮され、体への負担も軽くなるでしょう。
安心して業務ができる飛行許可申請のサポート
ドローンを農業で使う場合、実は勝手に農薬を撒いていいわけではありません。重い液体を運んだり、それを空中から落としたりする行為には、国への特別な申請が必要になります。 そこでYASUDA DRONEの講習を修了すると、国土交通省へ申請する際に欠かせない「物件投下」や「危険物輸送」といった項目の技能証明を取得可能です。こうした証明があることで、法的なルールをクリアした状態で堂々と作業を進められるようになります。手続きに必要な書類の知識も得られるため、これから本格的にドローン農業を始めたい方にとっては非常に心強い味方です。
建設業界の経験を凝縮したプロ視点のカリキュラム
YASUDA DRONEは、30年以上の歴史を持つ建設会社が運営しています。建設現場という「安全第一」が求められる厳しい環境で培われたノウハウが、ドローン講習にもぎっしりと詰め込まれています。なお、カリキュラムは、教科書通りの内容に留まりません。毎日の作業に欠かせない機体の点検方法や、急な故障を防ぐためのメンテナンス技術など、長くドローンを使い続けるための知恵が学べます。また、一人ではなくチームで作業するときの声の掛け合いや、効率的なルートの組み方など、実際の作業風景をイメージした指導が受けられます。現場のプロが教えるからこそ、単なる操縦者ではなく、仕事としてドローンを使いこなす「職人」としてのスキルが手に入るのです。
ROBOZドローンスクール

引用元:https://roboz.co.jp/
| 会社名 | 株式会社ROBOZ |
|---|---|
| 住所 | 岐阜県美濃市曽代117-14 |
| 電話番号 | 0575-38-9025 |
農薬散布の自動化まで学べる実践的なカリキュラム
ROBOZドローンスクールの大きな特徴は、単にドローンを飛ばすだけでなく、農業の現場ですぐに役立つ「専門的な技術」を習得できる点にあります。国内の主要な農業用ドローンメーカーの認定講習を行っており、操作の基本から応用までを網羅しています。特に注目したいのが、農薬散布を効率化するための「自動航行」の設定です。広い田畑をムラなく、かつ最短時間で散布するためのルート作成や、散布量の細かな管理方法など、実務に直結する内容をマンツーマンでじっくりと学べます。また、機体の防水性能を活かしたお手入れの方法など、長く安全に使い続けるためのコツも教えてもらえるため、機械が苦手な方でも安心して受講できるでしょう。
開放感あふれる専用パークでのびのびトレーニング
ROBOZドローンスクールでは、美濃市にある約1,800坪という圧倒的な広さを誇る専用飛行場「ドローンミュージアム&パークみの」を練習の場として活用できます。周囲に障害物がない安全な環境で、実際の農地に近い感覚を味わいながらトレーニングに励むことが可能です。さらに、地域特有の悩みにも柔軟に対応しています。たとえば、深刻な問題となっている鳥獣害対策として、ドローンにカラス除けの工夫を施すといったユニークな指導も行っています。
機体開発から運搬まで支えるトータルサポート体制
ROBOZドローンスクールはスクールでありながら、ドローンのテクノロジー開発を行う企業でもあります。そのため、教える内容は常に最新のトレンドや現場のデータに基づいているのです。最近では、農作物の苗木や重い資材を運ぶ「物流用ドローン」の開発や実証実験にも力を入れており、これからの農業に欠かせない「重量物の運搬」についても深い知見を持っています。機体を購入した後の定期的なメンテナンスはもちろん、使い方の相談まで一貫して任せられるのは大きな安心材料といえるでしょう。単に資格を取って終わりではなく、農業のパートナーとして長く付き合っていける体制が整っています。
CDP岐阜校

引用元:https://gifu.cdpilot.pro/
| 会社名 | 横山プラスチック工業株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 岐阜県山県市高木1675 |
| 電話番号 | 050-1251-3997 |
初心者からプロを目指せる充実の7日間カリキュラム
CDP岐阜校では、農業用ドローンのプロを育成するために合計7日間の集中講習を用意しています。ドローンの基本的な操縦スキルはもちろんのこと、農業実務に欠かせない座学が非常に充実しているのが魅力です。単に空を飛ぶ仕組みを知るだけでなく、散布する農薬の安全な取り扱い方法や、効率的な病害虫・雑草の防除に関する知識もしっかりと学ぶことができます。また、日本の農林水産航空事業のルールに基づいた正しい運用管理についても理解を深められるため、現場に出た際に迷うことがありません。1週間という時間をかけて、知識と技能をバランスよく身につけることで、卒業後すぐにでも自信を持って作業に取り組めるようになります。
世界トップクラスの機体を使った本格的な実践訓練
実技講習では、世界シェアNo.1を誇るDJI社の農業用ドローン「Agrasシリーズ」などの実機を使用します。現場で最も普及している機種を使って練習できるため、学んだ操作感がそのまま実務に直結します。講習の内容は、離着陸やホバリングといった基本操作に留まりません。実際の散布作業を想定して、合図を出す補助者(ナビゲーター)とどのように連携して動くかといったチームワークの練習も行います。さらに、最新の測位システムを活用した「自動航行」の設定方法についても詳しく学べるのがポイントです。自分で行う操縦だけでなく、ドローンの賢い機能を最大限に引き出すスキルを習得することで、より正確でムラのない散布が可能になります。
導入からメンテナンスまで任せられる正規代理店の安心感
スクールの運営母体がDJIの正規代理店を務めていることも、受講生にとって大きなメリットです。ドローンは高価な精密機械なので、購入して終わりではなく、その後のアフターケアが非常に重要になってきます。こちらでは、機体の購入はもちろん、リースやレンタルの相談にも親身に対応してくれます。さらに、ドローンの保険加入に欠かせない「年次点検」などの定期メンテナンスも自社で対応しているため、万が一のトラブルや不具合の際もスムーズに相談が可能です。
岐阜県の農業用ドローン導入実績
岐阜県内でも、水稲の農薬散布や栗園での防除などに農業用ドローンが活用されています。実際に、作業時間の短縮や防除可能面積の拡大などにつながった事例もあります。ここでは、岐阜県内の代表的な3つの導入事例を紹介します。
| 地域 | 主な用途 | 主な導入効果3 |
|---|---|---|
| 下呂市 | 水稲の農薬散布 | 1日の防除面積が140aから500~600aへ拡大 |
| 瑞穂市 | 水稲の農薬散布 | 従来の乗用管理機と比べて作業効率が3.1倍 |
| 恵那市 | 栗などの農薬散布 | 共同利用によりドローンの導入コストを37%削減 |
下呂市|1日の防除面積が140aから500~600aに拡大
導入事業者
合資会社 源丸屋ファーム導入前の課題
・動力噴霧機による農薬散布を実施・ホースを引きながら圃場を移動するため作業負担が大きい
・小区画の圃場が多く、1日に防除できる面積が限られていた
導入した技術
農薬散布用ドローンを導入し、水稲の防除作業に活用。導入効果
・1日当たりの防除面積:140a → 500~600a・1日に対応できる面積が約3.6~4.3倍に拡大
・防除時間の短縮
・従業員の作業負担を軽減
・空いた時間をほかの農作業に活用
ポイント
中山間地域や小区画の圃場でも、ドローンを活用することで防除作業を効率化できた事例です。瑞穂市|農薬散布の作業効率が3.1倍に向上
導入事業者
農事組合法人 巣南営農組合導入前の課題
・水稲・小麦・大豆などを大規模に栽培・経営規模の拡大に伴い、限られた人員で効率よく農作業を行う必要があった
導入した技術
スマート農業実証プロジェクトの一環として、農薬散布用ドローンを導入。水稲の防除作業に活用しました。導入効果
・従来の乗用管理機と比較して、農薬散布の作業効率が3.1倍に向上・限られた人員でも広い農地の管理がしやすくなった
・スマート農機の活用により、新たな雇用を増やさず経営規模を拡大
ポイント
農業用ドローンは作業時間を短縮するだけでなく、限られた人員で大規模な農地を管理する手段としても活用されています。※経営規模拡大については、ドローン単体ではなくスマート農機全体を導入した効果です。
恵那市|栗園でも農薬散布用ドローンを活用
導入事業者
株式会社えな笠置山栗園ほか導入前の課題
・栗園などで防除・除草・施肥に多くの作業時間が必要・スマート農機を個別に導入すると、導入コストが大きくなりやすい
導入した技術
農薬散布用ドローンやリモコン式草刈機などを導入。複数の経営体でスマート農機を共同利用しました。導入効果
・ドローンの稼働率が1.6倍に向上・ドローンの導入コストを37%削減
・除草・防除・施肥作業の時間を70%以上削減
・スマート農機全体では年間作業時間を34%削減
ポイント
水田だけでなく、栗などの果樹栽培でも農業用ドローンが活用されています。また、複数の農業者で共同利用することで、導入コストを抑える方法もあります。※「年間作業時間34%削減」「作業時間70%以上削減」は、ドローンだけでなくリモコン式草刈機などを含むスマート農機全体の効果です。
岐阜県でも農業用ドローンによる省力化が進んでいる
3つの事例を見ると、岐阜県内では農業用ドローンが主に次のような目的で活用されています。・農薬散布にかかる時間の短縮
・1日に防除できる面積の拡大
・農作業の身体的負担の軽減
・少ない人員での農地管理
・スマート農機の共同利用による導入コストの削減
特に農薬散布では、従来の散布方法と比べて作業効率が大きく向上した事例も確認されています。
一方で、農業用ドローンを安全かつ適切に使用するには、機体の操作方法だけでなく、安全管理や農薬散布に関する知識も必要です。
農業分野でドローンを活用したい場合は、農業での利用を想定した知識や操作技術を学べるドローンスクールを検討するとよいでしょう。